【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】
2013年4月27日

Chapter-442 電流生成菌   

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 ガラスのコップに植物プランクトンの一種アオコ、乳酸菌、その他の微生物を入れて日光を当てると電気が発生します。アオコは光合成をしてものすごいスピードで増殖します。乳酸菌はアオコを食べて有機物を作り、その有機物を別の微生物が分解して電流を流しているのですが、この微生物のことを電流生成菌と呼びます。

 さて、ここで多くの科学者が疑問に思ったのは、なぜ生きた細菌から電気を取り出すことができるのか、ということなのですが、そこにはシトクロムとフラビンという二種類のタンパク質が関わっています。

 細菌が有機物を酸化分解するときに受け取る電子を菌の外にある電極に渡すことによって電流が流れるのですが、細胞で発生した電子を細胞の外にある電極へ運ぶ仕組みは最近まで謎でした。

 東京大学の研究者らが実験に使ったMR-1という菌は細胞内部の電子を細胞の外部へ運ぶために必要な複数のタンパク質を持っています、細菌の表面にはシトクロムと呼ばれる酸化還元反応を起こすタンパク質が存在していて、シトクロムが細菌の電源端子の役目をして電子を電極へ渡します。この部分の詳細な電子の流れを調べることのできる電気化学計測システムの新たに開発して細菌から流れる電子を直接的かつ高感度に観測したところ、フラビンが重要な役目をしていることがわかりました。

 フラビンは電流生成菌が細胞の外に分泌して電子の運搬役として使っている分子です。この装置を使ってフラビンの挙動を観察したところ、菌から放出されたはずのフラビンは、これまでは科学者は細菌の周辺の液体に溶けた状態になっているだろうと思われていたのですが、実はそうではなく、電極に結合した状態で存在しており、電子を電極に渡す際にフラビン分子は電流生成菌の膜タンパク質と結合した状態で相互作用を起こし、細胞膜のシトクロムと結合したフラビンの量と細菌が流す電子の量の間には非常に相関の高い直線関係にあることがわかりました。

 つまり、シトクロムと結合しているフラビンの量が多いほど電子はたくさん流れていた、といことです。電流生成菌が発電する際にはフラビンが両面テープのような役目をして電極と細菌を貼り付けていることによって、菌の表面から直接的に電極に電流が流れていると言うことがわかったのです。

 

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(下関)2013年6月8日(土)10時30分 下関市生涯学習プラザドリーム・シップ【中止】 
(東京)2013年7月13日(土)19時 阿佐ヶ谷ダイナー・ヴォイニッチ 阿佐ヶ谷Loft A
(下関)2013年8月10日(土)10時30分 下関市生涯学習プラザドリーム・シップ
(周南)詳細未定 2013年秋
(大分)2013年9月 高校生向け校内行事です。(参加者募集はありません)
(富山)2013年10月 高校理科の先生向け行事です。(参加者募集はありません)
(東京)2013年11月9日 サイエンスアゴラ2013(未定)


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[この番組の担当は・・・]

ナビゲーター 中西貴之 obio@c-radio.net
 1965年生まれ
 島生まれの島育ち
 応用微生物学専攻
 現在化学メーカーの研究所勤務
 所属学会 日本質量分析学会 他
 日本科学技術ジャーナリスト会議会員

ナビゲーター BJ
 インターネット放送局くりらじ局長

 


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