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2010年8月14日
Chapter 302 日本の月探査計画

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 月探査に関する懇談会という、早稲田大学白井総長を座長とした産学連携の懇談会が2010年7月29日に発表した「我が国の月探査計画」という発表資料を基に、日本がこれからどのような月探査を行おうとしているのか、どのような月探査が望まれているのかについて紹介します。

 そもそもなぜ月かということについて説明します。太陽系の成り立ちなどを解明するためには、様々な天体の探査を行うことが重要ですが、その中で、月は地球に最も近く、しかもある程度強い重力のある天体です。月探査によって太陽系探査のための宇宙技術を自ら確立し、世界トップレベルにある探査機を使った日本の月探査技術を一層発展させる必要があります。
小惑星探査機「はやぶさ」が人類で初めて他の天体に着陸・離陸しサンプルを地球に持ち帰ることに成功しましたが、今後本格化する太陽系探査の対象となる重力の比較的大きな天体(重力天体)への着陸探査・帰還に必要な技術はまだ確立されていません。そこで、日本が太陽系探査を自ら推進するとともに、世界に貢献していくためには、自らの技術として、重力天体と地球との間を報復する技術を今後確立していく必要があります。

月探査の目標

 2020 年に月の南極域に世界で初めてロボットにより探査基地を構築し、地震計等の観測機器を設置して1 年以上の月内部構造の探査、さらに、ロボットによる数ヶ月間の周辺探査、そして、これまで人類が手にしたことのない種類の月の岩石の採取とサンプルリターンを行うことを目標として掲げています。これにより、今後の太陽系探査に重要なステップとなる宇宙技術を確立すると共に、月の起源と進化の解明にせまることができます。

 月の南極地域は、月の裏側からも多様な物質が飛散してきている可能性が高いと考えられています。月の裏側にサンプルリターン機を跳ばすよりも低コスト・低リスクでこれまで人類が手にしたことのない科学的価値の高い岩石を採取できる可能性が高いと考えられています。また、南極域は、月の裏側で発生した地震を直接計測できる可能性があるので、地震計等を使った内部構造探査の場所としても価値が高いとされています。また、2020年という高いハードル設定についても2020 年にこれらの内部構造探査やサンプルリターンが実現すれば、得られたデータは引き続き世界トップレベルのものとなると思われ、大きく国際貢献できる可能であります。ただ、2020年は非常に高い目標設定で、その前段階として、2015 年に軟着陸とロボットによる予備的な探査を実施することが望ましいとされています。

 2015年までに開発しなければならない技術は100mの精度レベルでの月面無人自動軟着陸、ロボットによる地震計等の観測機器を月面の適地を選んで設置すること、月は2週間夜が続きますが、この間、再生可能エネルギーのみによる活動を太陽光発電とリチウムイオン電池のみで行うことなど、いずれも世界初の技術です。また、月面でのハイビジョン映像の撮影も計画に盛り込まれることが期待されています。資金規模は、2015 年頃までに約600〜700 億円程度と試算されています。  

◇  ◇  ◇

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バックナンバー
   
Chapter 301 鉄系超伝導体の新たな動き  
Chapter 300 神経活動の観察を生きた脳で実現した光遺伝学ツール  
Chapter 299 死につつある死海 
Chapter 298 旅するウナギの謎   
Chapter 297 フードケミストリー
Chapter 296 野菜工場
Chapter 295 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter 294 生命科学関連の記事盛り合わせ  
Chapter 293 海水淡水化   
Chapter 292 ネアンデルタール人と現生人類の関係について   
Chapter 291 最近の桜島について
Chapter 290 神経細胞に関する新知見2題 
Chapter 289 スプリング8  
Chapter 288 良い眠りで体をメンテナンスしましょう  
Chapter 287 腸内細菌が食生活に与える影響 
Chapter 286 宇宙帆船「イカロス」間もなく打ち上げ  
Chapter 285 人間とチンパンジーを分けた遺伝子の変異 
Chapter 284 日本の科学研究ビッグプロジェクト 
Chapter 283 すぐそこにあった水惑星 
Chapter 282 高速増殖炉「もんじゅ」とは? 
Chapter 281 宇宙の話題盛り合わせ  
Chapter 280 ウェルナー症候群とウェルナーヘリカーゼ   
Chapter 279 レアアースに頼らず生物多様性を守る日本で開発された技術  
Chapter 278 ツタンカーメンの死因
Chapter 277 最近の人工衛星の話題 
Chapter 276 1年中咲き続けるサクラの開発に成功 
Chapter 275 マイクロキメリズム 


>> 「Mowton(放送終了)」はこちら

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科学コミュニケーター 中西貴之(メール
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 1965年生まれ
 島生まれの島育ち
 応用微生物学専攻
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