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 ニコニコ動画「ヴォイニッチのココロ」  
 【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】
 2013年10月12日
 
 Chapter-466 時差ぼけしないマウスの発見
 
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 海外旅行の悩みの代表が時差ボケです。夜間に眠れず、昼間に眠くなる時差ぼけが起きる理由は私たちの身体の中に、約24時間周期の時間を正確に刻み続ける体内時計が存在しているためです。時差ぼけのメカニズムはよくわかっていないのですが、京都大学は脳の視交叉上核という体内時計の中枢部分の研究を行う過程で時差ぼけを起こさないマウスを発見しました。
 
 視交叉上核にある多くの神経細胞はアルギニンバゾプレッシンというホルモンを細胞同士でやりとりすることによって情報ネットワークを形成しています。マウスに遺伝子操作を行い、このホルモンを受け取る側の機能を停止したところ、時差ぼけしないマウスになりました。時差ぼけしなくなった原因を探るために、視交叉上核の培養実験を行い、この情報ネットワークが外界の明暗環境の変化に影響を受けずに体内時計を正確に刻み続けるメカニズムそのものであることが確認されました。種の保存の観点から言えば、満月や雷などによって体内時計が誤動作することを防ぐ回路だったということです。
 
 ところが、現代社会においてはこの強力な体内時計がいろいろな問題を起こしています。たとえば、時差勤務を避けることができないシフトワーカーとしての生活が長く続くと、高血圧、メタボリック症候群、がん癌などの発症率が上昇している可能性があります。それらの治療薬開発を考慮し、遺伝子操作と同様の結果を飲み薬で一時的に起こすことができるかどうかを検討しました。
 
 受容体拮抗薬という化学物質を時差ぼけを起こす普通のマウスの視交叉上核に直接投与したところ、時差ぼけを著明に軽減させることに成功しました。つまり、脳に薬物が到達すれば飲み薬であっても時差ぼけを抑制することが可能であるようなのです。人間にも同様の仕組みがあることはわかっていますので、薬によって時差ぼけを解消したり、シフトワーカーが生活習慣病などを発症することを抑制したりする薬を開発できるのかもしれません。
 
 
 (周南)詳細未定 2013年秋(東京)2013年11月9日 サイエンスアゴラ2013
 (東京)2013年12月28日(予定)
 ※ドリームシップ・サイエンストークライブは都合により次回開催は未定です。
 
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