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科学コミュニケーター 中西貴之(メール
アシスタント BJ

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 先週は
  総聴取数 61,885 名様
  内、RSS. iTunes からのアクセス 55,344 名様

 先週も大勢の方に聴いていただきました。
 ありがとうございました。



 このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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■「最新科学おもしろ雑学帖」が愛媛県の新居浜工業高等専門学校で読書感想文コンクールの課題図書に選ばれました (2006年9月)
ポッドキャストアワード2006 で第一次審査を通過しました。
■下関市立彦島図書館で「教科書が教えないホットな科学」講演会が開催されました (2006年7月22日)
■地元紙「山口新聞」で「最新科学おもしろ雑学帖」が紹介されました (2006年7月19日)
■iTunesミュージックストア Podcast部門で全 Podcast番組中第2位の聴取数となりました (2006年7月3日)
■ABCラジオ「おはようパーソナリティ 道上洋三です」特集コーナーで書籍が紹介されました (2006年6月16日)
■地元地方紙「宇部日報」で書籍が紹介されました (2006年6月8日付)
■「最新科学おもしろ雑学帖」が、Amazon.co.jp 売り上げランキング「本で 888位」になりました。(2006年4月9日付)
■翔泳社”ポッドキャスティング入門”でオススメ番組として紹介されました。
■ソフトバンクバブリッシングの雑誌「ねっため」2005年11月12月合併号でネットラジオおすすめ番組として紹介されました。
■JNN九州・沖縄・山口のブロックネットで放送されているドキュメンタリーテレビ番組「ムーブ2005」で紹介されました。>>紹介ページ
■ポッドキャストのポータルサイト「PODCAST navi」の科学カテゴリー BEST HITS 10 にランクイン継続中です。
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[バックナンバー]

Chapter-131 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-130 RNAi 
Chapter-129 遺伝子組み換え低アレルギーネコ・コルクでできたような巨大惑星 
Chapter-128 飲酒が身体に与える影響 
Chapter-127 冥王星 
Chapter-126 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-125 科学技術振興機構(JST)が腹時計を発見 
Chapter-124 次世代超音速機技術の研究開発 
Chapter-123 災害現場で日本製ロボットが活躍する姿を早くみたい!! 
Chapter-122 アルツハイマー病に挑む 
Chapter-121 織り姫はぐりんぐりん 
Chapter-120 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-119 広い宇宙に地球人しか見あたらない50の理由の中の10の理由 
Chapter-118 次世代燃料 
Chapter-117 熱中症・脳は自分の身体に起きる時系列の変化を予測している 
Chaoter-116 局所銀河団・植物の体内時計 
Chapter-115 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-114 ヒト ES細胞からドーパミン神経を 
Chapter-113 わたしたちはどこから来たのか 
Chapter-112 成層圏化学気候モデルを用いたオゾンホールの回復予測/アスペルガー症候群
Chapter-111 プリオンタンパク質に関する研究の最前線 
Chapter-110 夫婦仲とケガの治り・色覚進化のきっかけ 
Chapter-109 サイクリック宇宙論 
Chapter-108 躁鬱病モデル・軌道エレベータ 
Chapter-107 あかりときらり 
Chapter-106 ブラックホールは3種類

>> 「Mowton(放送終了)」はこちら

[この番組の担当は・・・]

ナビゲーター 中西貴之 obio@c-radio.net
 1965年生まれ
 応用微生物学専攻
 現在化学メーカーの研究所勤務
 所属学会 日本質量分析学会 他
 日本科学技術ジャーナリスト会議会員

ナビゲーター BJ
 インターネット放送局くりらじ局長

Chapter-132 2006年 ノーベル物理学賞

今回の放送を聴く

2006年10月21日 (前回の放送次回の放送

 スウェーデン王立科学アカデミーは2006年10月3日、2006年のノーベル物理学賞を、NASAゴダード宇宙飛行センターのジョン・マザー上級研究員と米カリフォルニア大バークレー校のジョージ・スムート教授に授与すると発表しました。授賞理由は「宇宙背景放射の黒体放射スペクトルと異方性の発見」となっています。

 宇宙誕生初期の特殊な現象を一般相対性理論から導き出し、宇宙は膨張していると考えたのはベルギーのローマ・カトリック教会の司祭であったジョルジュ・ルメートルです。宇宙が膨張しているのならば宇宙の始まりは宇宙が極めて小さく圧縮された世界だったと考えました。

 一方でアメリカの物理学者ジェローム・アイザック・フリードマンもルメートルと同じ膨張宇宙論を考えましたが、宇宙の始まりについてフリードマンは点であったとしました。つまり、無から宇宙は生まれたと考えました。けれど、当時、科学者の大多数は宇宙は永遠で静的だと信じていました。

 1940年代、宇宙のごく初期の計算に没頭していた科学者アルファーとハーマンはビッグバンモデルに従った場合、宇宙誕生数分後の宇宙は約百万度の高温で原子核と電子がゴチャゴチャに混じり合ったプラズマと呼ばれる状態となっていたと考えました。プラズマの中では光はプラズマの粒子に衝突して跳ね返るので、通り抜けることができず明るさのない世界でした。宇宙が膨張するにつれてエネルギーは薄められることになりますので宇宙の温度は低下し、30万年かけて水素とヘリウムの原子ができる3000度程度まで低下しました。光は原子と原子の間は通り抜けることができますので、電子が原子核につなぎ止められると光は宇宙空間を直進できるようになりました。

 アルファーとハーマンは自分たちの物理に対する考え方が正しいならば、光は宇宙の星や銀河を構成している中性の原子とは相互作用しないので、プラズマが原子に変化したときに直進し始めた光はその後何とも相互作用して失われることなく、今も宇宙を飛び回っているはずだと考えました。

 この光は当時有力だった定常宇宙論では存在せず、宇宙がビッグバンで誕生したときにのみ存在しうるものなので、この光を見つければ、すなわちそれは宇宙がビッグバンで始まったこと示すことになります。また光が直進し始めた瞬間には宇宙は光で満たされていたはずなので、現在もこの光は宇宙のあらゆる方向から地球に届いているはずだとも考えました。

 その後、ベル研究所の電波天文学者だったペンジアスとウィルソンという二人の研究者が登場します。

 彼らはベル研究所の巨大アンテナを使って共同で宇宙の電波源を調べることに取り組みました。ところが電波望遠鏡のチェックを行ったところ、望遠鏡をどのような方向に向けても一様に生じるノイズがあることに気がつきました。結論としてはこれが1940年代にビッグバン宇宙の証拠として提唱された宇宙マイクロ波背景放射だったのですが、提唱されてから20年以上の年月が経過する間に宇宙マイクロ波背景放射のことはすっかり学会で忘れ去られていましたので、後日、マサチューセッツ工科大学の天文学者バーナード・バークに指摘をされるまでノイズとビッグバンモデルを結びつけることができなかったのでした。ペンジアスとウィルソンは宇宙マイクロ波背景放射の発見で1978年にノーベル物理学賞を受賞しました。

 宇宙はビッグバンで始まったことはわかりました。次の課題は宇宙の進化を説明することです。現在の宇宙は何もない(と思われる)空間と銀河が密集した空間があるように空間がムラがあります。このムラが生じた過程を宇宙の進化といいますが、現在観測されているような宇宙に進化するためには宇宙マイクロ波背景放射に方向によって強弱があることを観測で示さなければなりません。ここで登場するのが2006年ノーベル物理学賞を受賞したジョージ・スムートとジョン・マザーです。

 スムートは宇宙マイクロ波背景放射のムラの検出に熱中し、気球や飛行機を使ってそのムラを上空から観測しようとしていましたが、良い結果は得られていませんでした。そこで彼は人工衛星に宇宙マイクロ波背景放射を観測する装置を積み込んでそのムラを観測しようとしました。同じことを同じ時に考えていたのが同時受賞となったジョン・マザーでした。NASAはスムートとマザーの研究チームにジェット推進研究所のチームを加えた共同研究チームを支援し、宇宙背景探査衛星COBEを1989年11月18日デルタロケットで打ち上げました。1991年、COBEは現在の宇宙の構造を作り出す元となった宇宙マイクロ波背景放射の揺らぎの検出に成功し、その後秘密裏に十分なデータの検討がなされ、1992年4月23日に学会発表されました。



最新科学おもしろ雑学帖の関連項目]

 007番 誕生直後の宇宙は完全な液体だった
 015番 宇宙の誕生直後に迫るBファクトリー
 018番 火の玉宇宙より前の宇宙はどんなだったのですか
 019番 WMAPが解き明かす宇宙の年齢と構造

[他局の科学番組放送予定]

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