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科学コミュニケーター 中西貴之(メール
アシスタント BJ

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 先週は
  総聴取数 68,663 名様
  内、RSS. iTunes からのアクセス 54,230 名様

 先週も大勢の方に聴いていただきました。
 ありがとうございました。



 このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
 「ヴォイニッチの科学書」では毎週最新の科学情報をわかりやすく解説しています。番組コンセプトはこちらをご覧ください。>>クリック 

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■「最新科学おもしろ雑学帖」が愛媛県の新居浜工業高等専門学校で読書感想文コンクールの課題図書に選ばれました (2006年9月)
ポッドキャストアワード2006 で第一次審査を通過しました。
■下関市立彦島図書館で「教科書が教えないホットな科学」講演会が開催されました (2006年7月22日)
■地元紙「山口新聞」で「最新科学おもしろ雑学帖」が紹介されました (2006年7月19日)
■iTunesミュージックストア Podcast部門で全 Podcast番組中第2位の聴取数となりました (2006年7月3日)
■ABCラジオ「おはようパーソナリティ 道上洋三です」特集コーナーで書籍が紹介されました (2006年6月16日)
■地元地方紙「宇部日報」で書籍が紹介されました (2006年6月8日付)
■「最新科学おもしろ雑学帖」が、Amazon.co.jp 売り上げランキング「本で 888位」になりました。(2006年4月9日付)
■翔泳社”ポッドキャスティング入門”でオススメ番組として紹介されました。
■ソフトバンクバブリッシングの雑誌「ねっため」2005年11月12月合併号でネットラジオおすすめ番組として紹介されました。
■JNN九州・沖縄・山口のブロックネットで放送されているドキュメンタリーテレビ番組「ムーブ2005」で紹介されました。>>紹介ページ
■ポッドキャストのポータルサイト「PODCAST navi」の科学カテゴリー BEST HITS 10 にランクイン継続中です。
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[バックナンバー]

Chapter-135 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-134 DNAの分解異常による関節リウマチ発症 
Chapter-133 脳の機能・太陽系外惑星 
Chapter-132 ノーベル物理学賞 
Chapter-131 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-130 RNAi 
Chapter-129 遺伝子組み換え低アレルギーネコ・コルクでできたような巨大惑星 
Chapter-128 飲酒が身体に与える影響 
Chapter-127 冥王星 
Chapter-126 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-125 科学技術振興機構(JST)が腹時計を発見 
Chapter-124 次世代超音速機技術の研究開発 
Chapter-123 災害現場で日本製ロボットが活躍する姿を早くみたい!! 
Chapter-122 アルツハイマー病に挑む 
Chapter-121 織り姫はぐりんぐりん 
Chapter-120 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-119 広い宇宙に地球人しか見あたらない50の理由の中の10の理由 
Chapter-118 次世代燃料 
Chapter-117 熱中症・脳は自分の身体に起きる時系列の変化を予測している 
Chaoter-116 局所銀河団・植物の体内時計 
Chapter-115 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-114 ヒト ES細胞からドーパミン神経を 
Chapter-113 わたしたちはどこから来たのか 

>> 「Mowton(放送終了)」はこちら

[この番組の担当は・・・]

ナビゲーター 中西貴之 obio@c-radio.net
 1965年生まれ
 応用微生物学専攻
 現在化学メーカーの研究所勤務
 所属学会 日本質量分析学会 他
 日本科学技術ジャーナリスト会議会員

ナビゲーター BJ
 インターネット放送局くりらじ局長

Chapter-136 ヴォイニッチの科学書流「クマムシ?!」

今回の放送を聴く

2006年11月18日 (前回の放送次回の放送

 岩波科学ライブラリーから出ている鈴木忠(あつし)さん著「クマムシ?!」はみなさん、お読みになりましたでしょうか。



 クマムシは非常に小さなムシです。大きなものでも1mm程度しかなく、ほとんどのものは0.1〜0.8 mmしかありません。ただ、ムシとは言っても昆虫ではありません。

 クマムシは緩歩動物門と呼ばれる生物の集団を構成する動物で、足は8本ありますが、顕微鏡で見ると熊のような見た目でのそのそ歩きます。決して珍しい生き物ではなくて、コケの中に普通に生息していますので、比較的簡単に観察することができます。

 このクマムシ、不思議なのはその姿形よりも、生命の強靱さだと言えます。

 強靱さの一例として、乾燥に強いという点があります。

 私たち人間のはるか祖先は水の中で誕生した生物でした。そのため、陸上生活をしている私たち人間も身体のほとんどは水でできており、水があらゆる生命反応に必要な環境を提供し、水無しでは生きることができません。人間の場合、わずか10パーセントの水分が低下しただけで、筋肉の痙攣が起こり、循環不全、腎不全になってしまい、20パーセント不足で死に至ります。

 クマムシは乾燥した環境に長時間晒されると手足を引っ込め て丸まり、身体の中の水分を徐々に失ってタル型と呼ばれる乾いて眠ったような状態になります。この状態のクマムシは生命を維持するために必要な代謝反応をほぼ完全に停止しています。ところが、水が与えられるとただちに元通りの活動を始めます。

 細胞が乾燥に耐えるメカニズムとして現在知られているのはグルコースが2つ結合したトレハロースが細胞の中で大量に合成され、これが水と置き換わることによってタンパク質などが乾燥によって壊れることを防いでいるというメカニズムがあります。

 通常の乾燥に耐える細胞では細胞の重さの20パーセント程度がトレハロースに置き換わっているところが、クマムシが休眠と再活動をする様子を詳細に調べると、クマムシにはわずか2パーセントしかトレハロースが存在せず、このようにわずかな量では従来の説による細胞の保護は難しいと考えられます。

 その他、トレハロースを分解する仕組みがほとんど無いこと、クマムシはわずか数時間で身体の構成を組み替えて乾燥に耐えることができることなどから、クマムシはまだ知られていない未知のメカニズムで乾燥に耐えているらしく、ある種の特殊なタンパク質が細胞保護機能を担っているのではないか、など様々な仮説が立てられています。また、今年になって、トレハロースを作る遺伝子を破壊した酵母も乾燥に耐える能力があることが発見され、トレハロースの意義も今まで私たちが考えていたものとは違っていた可能性も生まれ、世界中の研究者たちが生物が乾燥に耐えるメカニズムの解明に挑んでいます。


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